元IT監査人が教える「騙されない始め方」
「Web3は危険だから近づかない方がいい。」
そんな話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際に、仮想通貨の価格暴落や詐欺被害のニュースを見るたびに、不安を感じる人は少なくありません。
私自身、40年以上にわたりIT業界でシステム開発や監査業務に携わってきました。
その経験から申し上げると、Web3には確かに注意すべき点があります。
しかし、だからといって「危険だから触れてはいけない世界」というわけではありません。
インターネットが普及し始めた頃も、「ネットは危ない」「個人情報が漏れる」と言われていました。
それでも多くの人が正しい知識を身につけ、便利な道具として活用してきました。
Web3も同じです。
正しく理解し、基本的な注意点を知っていれば、過度に恐れる必要はありません。
むしろこれからの時代、自分の経験や知識を活かしながら新しい可能性を広げる手段として活用できる場面も増えていくでしょう。
今回は元IT監査人の視点から、Web3が危険だと言われる理由と、本当に注意すべきポイントについて分かりやすくお話しします。
なぜWeb3は「怪しい」と思われるのか
仮想通貨の暴落ニュース
Web3に対して不安を感じる最大の理由は、仮想通貨に関するニュースかもしれません。
- 「数か月で資産が半分になった。」
- 「大きな利益を出した人がいる一方で、大損した人もいる。」
このような話を聞けば、誰でも慎重になります。
価格変動が大きいことは事実です。
株式投資でも値動きはありますが、仮想通貨市場はさらに変動幅が大きくなることがあります。
そのため、「Web3=危険な投資」というイメージが定着しやすくなっています。
ただし、ここで理解しておきたいのは、Web3と仮想通貨は完全に同じものではないということです。
インターネットとネット通販が別の概念であるように、Web3には投資以外にもさまざまな活用方法があります。
詐欺案件が存在する
もう一つの理由は、詐欺案件の存在です。
残念ながら、新しい技術が登場すると、それを悪用しようとする人も現れます。
- 「必ず儲かる。」
- 「誰でも月収100万円。」
- 「今だけ限定。」
こうした甘い言葉で勧誘する案件は、昔から形を変えて存在してきました。
これはWeb3に限った話ではありません。
投資の世界でも、副業の世界でも、同じような手口は見られます。
一部の悪質な事例が目立つため、Web3全体が怪しいものだと誤解されやすいのです。
専門用語が難しい
Web3には独特の言葉があります。
- ウォレット。
- NFT。
- DAO。
- DeFi。
初めて聞く人にとっては、何のことか分からない言葉ばかりです。
理解できないものに対して、人は警戒心を持ちます。
私も新しい分野を学ぶときは同じです。
しかし、どんな技術も最初は難しく見えるものです。
電子メールが登場した頃も、クラウドサービスが普及し始めた頃も、多くの人が戸惑いました。
時間をかけて学べば理解できる内容がほとんどです。
知らないことと危険であることは、必ずしも同じではありません。

実際に危険なポイントは何か
秘密鍵の管理
Web3で最も重要なのは、自分の資産を守るための情報管理です。
銀行であれば、通帳やキャッシュカードを失っても再発行できます。
しかしWeb3では、自分自身が資産管理の責任を持ちます。
特に秘密鍵やリカバリーフレーズと呼ばれる情報は非常に重要です。
これを紛失すると、自分の資産にアクセスできなくなる場合があります。
だからこそ、安全な場所で管理する習慣が欠かせません。
フィッシング詐欺
偽サイトへ誘導するフィッシング詐欺も注意が必要です。
本物そっくりの画面を作り、ログイン情報を入力させようとする手口です。
見た目だけでは判断できない場合もあります。
そのため、検索結果から安易にアクセスするのではなく、公式サイトをブックマークして利用する習慣が大切になります。
少し手間をかけるだけで、多くのトラブルを防ぐことができます。

SNS上の詐欺DM
XやDiscordなどでは、不審なメッセージが送られてくることがあります。
- 「特別な投資案件があります。」
- 「限定エアドロップに参加できます。」
こうした誘いの多くは警戒が必要です。
本当に価値のある情報であれば、不自然に個別メッセージで勧誘されることはほとんどありません。
知らない相手からの連絡は、一度立ち止まって確認することが大切です。
一攫千金を狙う心理
私が長年の監査業務で感じてきたことがあります。
多くのトラブルはシステムの問題ではなく、人間の心理から生まれるということです。
- 「早く儲けたい。」
- 「今だけのチャンスかもしれない。」
そんな気持ちが冷静な判断を鈍らせます。
高い利回りを約束する案件ほど、慎重に確認する必要があります。
堅実な資産形成に近道はありません。
Web3の世界でも、その原則は変わらないのです。
危険なのは技術そのものではなく、正しい知識を持たずに行動してしまうことです。
だからこそ、焦らず学びながら進める姿勢が何よりも大切だと私は考えています。

Web3が怖くない理由
透明性が高い
Web3の大きな特徴の一つは、取引履歴や記録がブロックチェーン上に残ることです。
従来の仕組みでは、一部の管理者しか確認できない情報もありました。
一方で、Web3では多くの情報が公開され、誰でも確認できる仕組みが整っています。
もちろん専門的な知識は必要ですが、記録の改ざんが難しいという点は大きな安心材料です。
私は監査の仕事で「記録が残ること」の重要性を何度も見てきました。
後から確認できる仕組みは、不正防止にも役立ちます。
自分が主役になれる
これまでのインターネットでは、多くの場合、巨大な企業がサービスを管理していました。
便利である一方で、利用者はルールに従う立場でもありました。
Web3では、自分自身が資産やデータの管理者になります。
責任も伴いますが、その分だけ自由度も高くなります。
自分の知識や経験を活かし、自分の判断で行動できる環境が広がっています。
新しい働き方が可能
Web3の世界では、国境を越えて活動することが珍しくありません。
日本にいながら海外のコミュニティと交流したり、自分の知識を発信したりできます。
私が若い頃には想像もできなかった働き方です。
年齢や居住地に縛られず、自分の価値を提供できる環境は今後さらに広がっていくでしょう。
小さく始められる
Web3という言葉を聞くと、大きな投資が必要だと思う方もいます。
しかし実際には、学ぶだけでも十分な第一歩です。
- 本を読む。
- 情報発信を見る。
- コミュニティに参加する。
こうした行動は大きなお金を必要としません。
少しずつ理解を深めることで、自然と全体像が見えてきます。
無理をしなくてよいことも、Web3の魅力の一つだと私は感じています。
元IT監査人が実践する「騙されない5つのルール」

① 分からない案件に投資しない
私が最も大切にしている考え方です。
内容を説明できないものには手を出しません。
周囲が盛り上がっていても、自分が理解できないものは見送ります。
理解できない状態でお金を投じることは、非常にリスクが高い行動です。
② 必ず公式サイトを確認する
情報の出所は重要です。
SNSの投稿だけを信じることはありません。
必ず公式サイトや公式アカウントを確認します。
ほんの数分の確認作業が、大きな被害を防ぐことにつながります。
③ ウォレットの秘密鍵は誰にも教えない
銀行の暗証番号を他人に教えないのと同じです。
秘密鍵やリカバリーフレーズを求められた時点で警戒してください。
正規のサービスがそれらを聞いてくることはありません。
この原則だけでも、多くの詐欺を回避できます。
④ SNSのDMは疑う
突然送られてくる投資話や副業話には慎重になります。
有名人になりすましたアカウントも存在します。
私は知らない相手からの勧誘をそのまま信用しません。
まず疑い、確認し、それでも不明な点があれば距離を置きます。
⑤ 少額で経験を積む
学習には実体験が役立ちます。
ただし、最初から大きな金額を使う必要はありません。
少額で試しながら仕組みを理解する方が安全です。
経験を積み重ねることで、自分なりの判断基準が育っていきます。
私は長年ITの現場にいましたが、新しい技術を学ぶ時ほど慎重に小さく始めるようにしています。

40代以上こそWeb3を学ぶべき理由
経験が資産になる
若さだけが価値になる時代ではありません。
- 仕事経験。
- 人生経験。
- 専門知識。
これらは大きな財産です。
Web3では、こうした経験が新しい価値として活かされる場面があります。
長年積み上げてきた知識が無駄になることはありません。

AIとの相性が良い
近年はAIの進化によって、個人でも情報発信しやすくなりました。
- 文章作成。
- 画像制作。
- リサーチ。
これまで時間がかかっていた作業が効率化されています。
経験とAIを組み合わせることで、一人でも大きな価値を生み出せる時代になっています。
副業や発信に活かせる
- ブログ。
- SNS。
- オンラインコミュニティ。
- 電子書籍。
これらはWeb3と相性が良い活動です。
私自身、情報発信の重要性を強く感じています。
経験を共有することで、誰かの役に立ち、それが新しい機会につながることもあります。
定年後の選択肢が広がる
人生100年時代と言われるようになりました。
定年後も長い時間があります。
その時間を不安の中で過ごすより、新しい可能性に触れながら過ごす方が前向きです。
学び続ける姿勢は、年齢に関係なく大きな力になります。
Web3は、そのための選択肢の一つになり得ると私は考えています。
まとめ
Web3は危険な場所だと思われがちです。
しかし実際には、正しい知識を持って行動すれば過度に恐れる必要はありません。
私が長年IT監査の仕事を通じて学んだのは、どんな技術にもメリットとリスクの両方があるということです。
大切なのは、リスクを理解しながら賢く付き合うことです。
焦って行動する必要はありません。
まずは学ぶことから始めてください。
少しずつ経験を積み重ねることで、見えてくる景色は確実に変わります。
Web3は一部の特別な人のための世界ではありません。
正しく理解すれば、これからの時代を自分らしく生きるための有力な選択肢の一つになるはずです。
次回予告
「知らないと損するWeb3の本質|仮想通貨とは違う『新しい生き方の道具』」
Web3は投資のためだけに存在するわけではありません。
次回は、40代以上が人生後半を豊かにするための「生き方の道具」としてのWeb3について解説します。


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