記事【糖尿病の食事】病院が勧めるカロリー制限食ってどう?継続できるか、有効かを徹底評価!
では、病院から指導されたカロリー制限ダイエットを実践して、カロリー制限食を評価し私にとって、カロリー制限は継続が難しい上、効果もなかったことをご紹介しました。
今回は、糖尿病の方やダイエット目的の方にとって、
本当に「カロリー制限は意味がないか?」を検証し、
空腹のストレスがなく効果が高い方法はないかを調べました。
皆さん、一緒に見ていきましょう。
カロリー制限はなぜ続かない?
では、カロリー制限はなぜ継続が難しいのでしょう?
食べる量が少ないことによるストレス
まず挙げられる最大の理由は、食べる量が少ないことによるストレスです。
そもそも過食によって太ってしまった人が少食を強いられるわけですからストレスが大きいのは当然ですよね。
しかも糖尿病治療の場合はそれを何週間、何力月といった短期間ではなく、ずっと継続させなくてはいけないのです。
糖尿病は治す病気ではなく、付き合っていく病気だといわれているからです。
糖尿病患者にとっては生涯にわたって糖尿病治療をしなくてはならないわけですから、一生涯がまんし続けなくてはならないのです。
病院が糖尿病患者にカロリー制限を指導するということは、食べることが大好きで、それによって太ってしまったという人に、もう二度とお腹いっぱいになるまで食べてはいけません、と言うこと
なのです。
ある意味、食欲という本能的欲求との一生涯にわたる闘いを強いることになるのです。
一生涯がまんし続けなくてはならない食事法なんて、継続する気が起こらないですよね。 私がカロリー制限を断念した理由がこれです。
正確なカロリー制限などできない!
カロリー制限の継続が難しい2つ目の理由は、正確なカロリー計算なんて誰もできないことです。
厚生労働省が作成している『日本人の食事摂取基準(2015年)』によると、人が「自分はこれだけ食べている」と思っているカロリーは、実際に摂取したカロリーの80%程度だそうです。
さらに太っている人ほどこの割合は低くなり、60%程度まで下がります。
例えば、自分では1200キロカロリーぐらいかなと思っていても、実際には2000キロカロリー分食べていた、ということが起きているのです。
このように人は正確なカロリー計算などできないのです。
間違ったカロリー計算をしていた人が、食欲との闘いの中で、正確な計算の元にカロリー制限を続けるのは極めて困難なのです。
カロリー制限では期待したほど効果が出ない
筋肉が落ち、基礎代謝まで減る
カロリー制限を継続できたとしても問題となるのが、期待したほどの効果が出ないことです。
私がカロリー制限を試みた際、10㎏増えていた体重のうち4㎏までは減りました。
このようにカロリー制限でダイエットをすると、ほとんどの人に一定の効果は見られます。
ただし、ある程度まで体重が減った後は落ちにくくなるのも実情です。
食べるカロリーを制限すると人間の体はその分、使うカロリーを減らそうとします。
人間の体の中で最もカロリーを消費しているのは基礎代謝です。基礎代謝は何もしていなく
ても生きているだけで消費されるエネルギーのことです。
そう聞くとたいしたことがなさそうにも思えますが、運動が1日のエネルギー消費の10
%ぐらいなのに対し、基礎代謝は1日のエネルギー消費の約60%を占めているのです。
そして、その基礎代謝の量を最も左右するのは筋肉量です。
つまりカロリー制限をすると、人間はまず筋肉を減らして基礎代謝を減らし、カロリー
の消費を少なくしようとするのです。
カロリー制限を開始してある程度体重が落ちるのは筋肉量が減ったから、その後停滞期
し入り体重が落ちなくなるのは基礎代謝が落ちたからなのです。
カロリー制限で起きるリバウンドはたちが悪い
体重が減らないストレスと、食べられる量が少ないストレスに負けてがまんの限界。
もうやめた! となってしまい、いっぱい食べてリバウンドする。
これが、私も辿ったカロリー制限の顛末です。
そして、ひと囗にリバウンドといっても、カロリー制限で起きるリバウンドはたちが悪いのです。
カロリー制限することで筋肉量が減ってしまうと、筋肉に取り込むことができるエネルギー量も減ります。
その結果エネルギーが余り、余ったエネルギーは体脂肪(内臓脂肪や皮下脂肪)になってしまうのです。
リバウンドして元の体重に戻ったうえに、体の中では筋肉量が減って脂肪が増えたという現象が起きているのです。
さらに言えば、リバウンド後ダイエットに再チャレンジと意気込んでも、脂肪の多い体は代謝が悪いので、最初に比べてさらにやせにくくなっているのです。
カロリー制限の危険性
カロリー制限は老化を早める
カロリー制限には筋肉量が減るだけでなく骨密度が減るというデータもあります。
カロリーを制限することで筋肉量と骨密度が減り、体脂肪が増えるという最悪の事態に陥ることもあるのです。
こうなるとロコモティブシンドローム(ロコモ)になる可能性も高まります。
ロコモは立つ、歩くといった機能が低下する状態で、進行すると日常生活に支障をきたし、将来は寝たきりになるということも珍しくありません。
また、特に肥満でない人がカロリー制限をすることは大変危険です「例えば、やせて美しくなりたいと、太っていない女性がカロリー制限をすると低栄養になるリスクが非常に高いです。
美しくなるどころか筋肉と骨を削り肌はぼろぼろ、老化を早めることにもなります。
カロリー制限にはエビデンスがない
医学の分野で使われる「エビデンス」という言葉があります。
これは科学的根拠、証拠、裏付けを指します。例えば、「この治療法じはエビデンスがある」というのは、その治療法には医学的な効果があるという根拠や証拠がある、という意味になります。
そしてこのエビデンスは、レベルを1~5までの数字で表します。
一番高いレベルはエビデンスレベル1で無作為比較試験といって、研究対象をランダム
に2つの集団に分けて行う試験を経たものになります。
エビデンスレベル2は観察研究、3は症例対照研究、4は症例報告、5は専門家の意見です。ちなみにマウスのデータのような動物実験や細胞実験はエビデンスには該当しません。
動物実験や細胞でのデータがヒ卜で通用するかどうかはまったく分からないからです。
このエビデンスという概念は1991年からカナダの臨床疫学者が提唱し定着したものなので、80年代までに医者になった人の中にはエビデンスレベルの概念を十分に学べていない医者もいるように感じます。
そして、カロリー制限は今のところ安全性を担保できるだけだけのエビデンスが存在しません。
空腹のストレスがなく、効果が高い方法とは?
カロリー制限の有効性は条件付き
カロリー制限にはエビデンスが伴っていませんが、実際に行えば体重は減少します。
「栄養失調を生じないことが担保される限りにおいて」という条件付きではありますが、
継続することができる人にはマッチしている有効な方法として否定はしません。
自分が食べるもののカロリーをすべて正確に杷握して管理し、四六時中空腹に耐え、そ
れをストレスに感じないのであれば良いと思います。
安全で効果の高い食事法とは?
ただ、カロリー制限よりもずっとラクに、面倒な計算もせず、空腹のストレスにもさらされない
方法があるならばそっちの方がいいと思いませんか?
しかもエビデンスレベル1の試験結果を伴った医学的根拠がしっかりとある方法です。
この方法が緩やかな糖質制限「口力ボ」です。
現在のダイエットの潮流になっている糖質制限をベースにした安全で効果の高い食事法です。
この「口力ボ」の定義については以下の記事でご紹介しました。
糖質制限にもある7つのデメリット!それでも私がロカボを継続する理由とは?
この記事中では、北里研究所病院 のDr.山田さんによる「ゆるい糖質制限(ロカボ)」の解説動画が紹介されています。
カロリー制限ダイエットは意味がない!?空腹のストレスがなく効果が高い方法とは?のまとめ
カロリー制限が続かない理由
- 食べる量が少ないことによるストレス
- 正確なカロリー制限などできない
カロリー制限は期待した効果が出ない
- 筋肉が落ち、基礎代謝まで減る
- たちが悪いリバウンドが起こる
カロリー制限の危険性
- 老化を早める
- エビデンスがない
安全で効果の高い食事法とは「口力ボ」です。
また、「ロカボ」の詳細な実践方法は下記の参考文献が参考になります。
おすすめの参考文献:(アマゾンサイト:試し読み可能)
挫折しない 緩やかな糖質制限ダイエット
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